皆様のおかげでCAMPFIREプロジェクトは想像以上のご支持をいただいております。
ご協力、ご支援いただいた皆様には本当に感謝してます!
ご支援が多いほど、より多くの仕事につなげることができますので
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて本日は別件のお話を。
1sinでは2013SSシーズンに僕の念願がかなってつくることが出来た商品があります。
今日はそのお話をしたいと思います。
日本アルプスを望むその地に「飛騨さしこ」はあります。
「刺し子」とは日本の手芸のひとつで布に刺し子糸で模様を施します。
刺し子の歴史は古く、
そのルーツは平安時代に人が捨てたボロ布をつづり合わせて僧たちがつくった
「糞掃衣」と呼ばれる着物にあるとも言われています。
今では当たり前に手に入れることの出来る木綿生地ですが
江戸時代では木綿は貴重で多くの庶民は麻布による着物を着ていました。
さらに津軽地方では農民は木綿地の着物の着用を禁止されていました。
そこで寒さの厳しい東北地方では少しでも暖かくするために
着物を何枚か重ね合わせて刺し子をすることで丈夫さと暖かさを確保しました。
このようなきっかけで生み出された「刺し子」ですが
日本人の物を大事にする心、器用さと創造性により独自の発展を遂げていきました。
しかし明治の近代化に伴い洋装が普及するとともに刺し子も廃れていきました。
一度は廃れてしまった「刺し子」ですが昭和初期に柳宗悦氏(柳宗理氏の父親)を中心とした
「民藝運動」によって再び日本各地で復興と保存の運動が起こり今日まで続いています。
柳宗悦氏の民藝運動は“使うことに忠実に作られたものに自ずと生じる自然で暖かみのある美しさ”であり
柳宗悦氏は刺し子に「用の美」を見たのだと思います。
「飛騨さしこ」は40年前に飛騨高山の地に誕生し東北とはまた違った独自の発展を遂げてきました。
日本各地に刺し子作家さんや刺し子教室などはありますが、会社としてあるのは飛騨さしこだけと聞きます。
この道30年以上の刺し子職人さんをはじめ熟練の職人さんが在籍しています。
刺し子は1sinでは「大槌復興刺し子」をご存知の方も多いかと思いますが
もともと僕は「用の美」と言う概念がずっと好きで
(ホントかよ?と思う方も多いと思いますが!)
いつか刺し子を使った商品をつくってみたいと思っていました。
それが色々なご縁があって飛騨さしこさんとお知り合いになり
何度か飛騨高山に足を運んでゆっくり長い時間をかけてようやく一つのカタチにすることができました。
1sinのブランドコンセプトは
「上質・創造性・実用性・心をこめる」
まさに僕の目指すモノです。
飛騨さしこさんには有名ブランドも数多くオファーをしてきたのですが
これまでは職人さんがすべて断ってきましたので
1sinが初のコラボレーション相手になるという大変名誉なことでもあります。
職人さんとのやり取りについてはまた後日語らせていただきたいと思います!
すべてが1点物で、1着刺すのに2ヶ月以上かかります。
ですので現状では量産が難しく来期は1着しかつくることができません。
また今後も特別オーダーというカタチでしか対応できないかもしれません。
それでも1sinではこの素晴らしい技術を世に出したいと思います。
若い方にも着ていただきたいと思います。
若い人でも買うことの出来る価格にしたいと思います。
大量生産・大量消費とはちがうカタチで。
来期は代官山の「O」さんに1着だけご用意させていただきました。
Oさんは今年オープンしたショップですが、
オーナーの吉田さんの審美眼の元に集められた
幅広い商品がとても素敵なショップです。
正直値段が付けられなかったので販売するかを悩んでいた
Anonymous Jacketをとても熱心に取り扱いをしたいとおっしゃてくれたので
その心意気にかけてみようと思いました。
12日よりサンプル(画像の品)を2週間ほど置かせていただきますので
ご興味のある方はぜひ店頭にてご覧いただければと思います。
営業時間 : 12:00-21:00 ※定休日なし
http://moc-o.com
もし店頭に伺えない方で気になる方がいらっしゃいましたら
info@1sin.net
までご連絡下さい。