2015年9月11日金曜日

Explorer #192『KUON -2-』


皆さまKUONはいかがだったでしょうか???

さっそく国内外からたくさんのお問い合わせをいただいてます。
英語対応がまったく追いついてないのですが
本当に嬉しいです。ありがとうございます。

今後もKUONの情報についてはインスタグラムツイッターなどで
ちょくちょくと発信しますのでぜひフォローしてください。
ツイッターで募集してますがモデルになってくれる方を探しています。
身長175~180cmくらいの細身の方で
9月28日(月)のお昼から半日時間のある方!
外国人の方もウェルカムです。
ご紹介いただける方は
info@kuon.tokyoまでご連絡ください。

さて、今日はKUONの誕生の経緯などについて触れてみたいと思います。
ちょっと長くなるかもしれないので時間のあるときにでもお読みください。

もともとファッションとは縁遠い世界にいた僕が
4年半前に1sinをはじめた理由のひとつなんですが、
ファッションには人を明るく、そしてワクワクさせる力がある。
と信じていて。
今でもそこに理由なんてないと思っています。
長嶋監督でいうところの
「ビュッときたらバシっ!」って感覚です。
僕はそれに憧れて30歳を過ぎてこの世界に飛び込みました。
(危険なアラサーですね)

KUONのブランドコンセプトは
ウェブサイトからそのまま。
KUON(クオン)とは「遠い過去または未来」「永遠」を意味する「久遠」に由来しています。
世界中に存在する古着や古布の背景や文化を取り込みながらも古着という枠に捉われることなく、
理屈を抜きにしたカッコよさを追求することをブランドの真髄としています。
KUONは古着の概念を変え、再発明します。

なんだか文体が1sinに似てる気もしますが気にしないでください!

僕がBOROに興味をもったのがだぶん今から3年半位前。
オールハンドメイド刺し子の「Anonymous Jacket」に取り掛かっている頃です。
その製作過程で民藝という分野にとても惹かれて、
個人的にボロ(襤褸)を集めるようになりました。
ボロは世界では「BORO」と呼ばれそのままでも通用します。
欧米ではアートの文脈として語られることも多く
日本の何倍、何十倍の価格で取引されることもあります。
ここ数年は香港などを中心にアジアでも注目をされていて
実は日本人が1番その価値を知らなかったりします。

BOROはその名の通りボロです。
辞書などで調べると

使い古して役に立たなくなった布。ぼろぎれ。
着古して破れた衣服。また、つぎだらけの衣服
などとあります。
この辺りはウェブサイトのAbout BOROをお読みいただくとして。
僕がBOROを面白いと思ったのは
昭和初期の頃は日本の多くの家庭にBOROに似たような物はありました。
だけどそれらは本来人前に出すのは恥ずかしいとされてきました。
それが何十年も経った現代では
アートとして評価されているのがとても興味深かったのです。
欧米ではBOROを抽象画のように見立てて鑑賞するそうです。

KUONを立ち上げるにあたり文献などで勉強するだけではなく
実際に様々な生地に触る必要がありました。
KUONは古美術の専門家の方々にアドバイスをいただいたり
バックアップをしていただいたりしています。
ただ単にBOROを集めた。というのとは大きく違います。
実際に古美術(古布専門)のオークションに参加させていただいたり
ご協力いただいた方々は本当に錚々たるメンバーなのです。
後々ご紹介できればと思います。

モノづくりの観点からすると
基本的にすべて一点物ですから量産という事ではかなりの難しさがあります。
これまでいくつかのブランドさんがトライしたと思うのですが
多くが途中で諦めたり、オリジナルの生地にしたりしました。
僕らもきっと様々な困難にぶちあたると思います。
すでに量産どうすんのさ?って。

でもまずは僕らのスタート地点にあるのは
圧倒的にかっこいい物を。つくる。なのです。

僕らが最高に身震いする素材を使って
最高にかっこいい洋服をつくる。
影すら踏ませない圧倒的なカッコよさ。
それだけなんです。

もちろん解決策はいろいろ考えています。
ひとつは「大槌復興刺し子プロジェクト」さんとの取り組みです。
こちらもウェブサイトのOur Actionをご覧いただきたいのですが
生地自体の創作に取り組んでいます。

もちろんビジネスとしても上手くいくように色々と考えます。
こだわり、薀蓄、付加価値などなど
KUONにはたくさんの要素が詰まっています。
だけど僕らはそれらを取っ払ってしまって
「これゼッテーやばいね!」
KUONの真髄はコレです。
こだわりとかそう言うのは今や標準装備でしょう。

今の時代如何にして「いいね」をもらうかが大きなポイントです。
共有、共感、共鳴の時代です。
もちろんそれはとても大事、僕らも大切にしたいと考えています。
お客さんの喜ぶ顔や驚きの声は何より嬉しい。
だけどKUONは一方通行でもいいと思ってます。
まず自分たちがワクワクしたい。
これヤバイね。って。
お客様と価値観を共有して一緒に育って行くのが1sinの目指すところなので
KUONはその対極にあるのかもしれません。
そしてそれはもしかしたら僕がずっと憧れていた世界なのかもしれない。

ノームコアへのアンチテーゼとかそんなのもどうでも良かったりします。
今の時代どうやったっていつかは均一化、同質化してしまいます。
だから最後に残るのは夢だったり希望だったり情熱だったりすると思ってます。
そもそも一般受けするとは思っていないです…

あ。大事なこと忘れてました。
皆さん薄々感じてるかと思いますがKUONはめちゃくちゃ高いです。
原価から一桁違いますからね。
もちろん比較的お求めやすい商品もご用意してますが
それでも決して安くはありません。
それに十分に見合う物はつくってます。

でも僕らの初期衝動ってそういうコトなんじゃないかなと。
だからKUONはまったくもって普通のブランドではありません
価格もクオリティもクレイジーです。
それを世界に発信できるよう。

実際昨日のウェブサイトのロンチの後に
海外からすごくお問い合わせをいただいてます。
こちらからコンタクトを取ろうと思っていたショップからも
早速お問い合わせをいただいてビックリしてます。

そんな世界基準のブランドにしたいので
デザイナーは僕ではないです。
残念ながら僕は1sinで手一杯です。
1sinのお客様も僕にとっては大切な存在なのです。

デザイナーの石橋さんは
僕がこれまでに出会ったファッション関係の人の中では
ピカイチの実力をもった人です。
30ちょっとの年齢ですがほとばしる才能って感じです。
あまり外に出たがらないタイプなので
少しずつ慣れてもらえればと思っているのですが
これまでの経歴もなかなか素晴らしいです。
石橋さんについてはまた後日紹介したいと思います。
展示会にはいますので会いに来てやってください。

KUONへの思いがスパークしてだいぶ長くなってしまいましたが

僕らが最高に身震いする素材を使って
最高にかっこいい洋服をつくる。

影すら踏ませない圧倒的なカッコよさ。
それだけなんです。

少しでも良いと思っていただけたら
KUONをぜひ色々なところで宣伝、紹介してください!

ぜひ今後ともよろしくお願い申しあげます。


藤原