2013年6月13日木曜日

Explorer #102「熱量」



気がつけば今年も半分を過ぎてました…はやいこわい。
今年は読売新聞さんで1sinの活動を掲載していただいたり
(上の写真はその時の記事)
NHKやラジオでも1sinの活動をご紹介していただいけました。
僕のハイトーンボイスはちょっとした放送事故だと思うのですが…

ファッション誌の方は相変わらずなのですが
(1sinにはまだプレス機能がないので雑誌掲載をTwitter経由で知ったりします!)
昨年末頃からこちら方面の取材をいただくようになりました。
お陰様で思いも寄らない方面に波及したりしてます。
ま、なにより親が喜んでるのが嬉しかったりします。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが
1sinというブランドはアパレル素人だった私が2011年2月に
大好きなファッションをツールにソーシャルビジネスを目的として
32歳で立ち上げたブランドです。
なので近しい人達にはずいぶんと心配をかけたものです(汗

新聞などに載ったことで改めて活動理由について聞かれることが多くなりました。
今日はその辺についてちょっと書いてみようかと思います。

僕の学生時代のトレンドの最先端はファッションでした。
いわゆる裏原宿全盛期です。
バブルがはじけて日本の社会が変わりはじめた頃でしょうか。
原宿の一画で発生した独自のコミュニティがトレンドの最先端になっていきました。
(詳しくはググってください!)
今の僕よりずっと若い人たちがものすごい熱量でカルチャーをつくってました。
僕の生まれは新宿なんですが、当時新宿で遊んだ記憶はほとんどないです。
ただ、人見知りの恐がりなんで外から眺めるだけ…(笑

それがいつ頃からでしょうか?
僕の中でのトレンドはファッションからITに変わっていきました。
人や街、モノ、コトの中心はファッションではなくなったと感じます。
(ITって言葉もなんか“今”はイケテナイですね…)
「かっこいい」の中心にあるにはiPhoneだったりSNSになりました。

僕はカルチャーをつくるのがトレンドだと思っているのですが
ファッションでは未だに「スケボー」や「アイビー」のリバイバルだなあと。
一方で今の世の中を面白くしている人たちは
それをはじめた当時はたぶんオタクで(オタクという言葉もなかったかも)
相当「変人」扱いされていたんだと思います。
(“ギーク”とか“ナード”と今は「かっこいい」言葉です!)
当時は「カネにならん」と思われていたと思うのです。
でもきっと裏原宿をつくった人たちと同じ様な熱量があったと思うのです。
FACEBOOKは比較的最近のサービスですが
デヴィッド・フィンチャーの「ソーシャル・ネットワーク」を観た時に
これは「ロード・オブ・ドッグタウン」と同じだと思いました。
僕はそこにカルチャーを感じました。

少し話は逸れるけど
ITの世界ではスタートアップで日本人と中国人、白人にヒスパニックが一緒で
海外のベンチャーキャピタルの融資を受けることだってあります。
ファッションの世界では海外を目指そうと思ったらいろんなハードルがありますから。
1sinが10年続いたって海外に出れることなんてなかなかないと思うのです…
それを彼らは“ビュ〜ン”っと越えていく訳です。
悲観してるわけじゃないですが単純にすげ〜なあと。

で、前置きがずいぶんと長くなりましたが
僕が社会貢献(この言葉好きじゃないです)を1sinの活動理念とした理由。

今、社会貢献活動をしている人ってものすごい熱量なんですよ。
学生で社会貢献に興味があって大学で勉強してる人。
大人になってそういう活動をしている人。
一般的には「カネにならないこと」に、「変人」って思われていると思います。
大学行ったらサークル活動にコンパでしょう!
だけど、だから、それでも学ぼう、やろうという人の熱量はハンパないんです。
これが、資本主義やニーズとうまく結びついてマネタイズできたらと思うのです。
僕はきっとそういうところから次の革新は起きると思っているのです。
次のカルチャーは起こると思うのです。

アメリカにTEACH FOR AMERICA(TFA)っていう教育系NPOがあるんですが
TFAのアメリカでの就職人気ランキングで常に上位なんですね。
年度に寄ってはGoogleやAppleとかより人気あるんですよ。NPOが!
日本同様にNPOは資金が潤沢にあるわけではないので
少数精鋭で各自が企画して、実行して、検証する必要があるのです。
そこで経験を積んだ人を企業は喉から手が出るほど欲しい訳です。
TFAをスタートにキャリアップする人が多いそうです。

もちろん僕も「世の中をより良くしたい」というのが大前提です。
それをファッションの力でできたら最高だろうって。
あと、僕は残念ながらおっさんの年齢になってきたので
そうそう体力も続かないわけです(笑
だから若い人が社会貢献活動をしながらも
ちゃんと食べていけるような仕組みをつくりたいと思うのです。

社会の問題に取り組む人が儲けちゃいけないなんてナンセンスだと思うのです。
人助けをする人が清貧じゃなきゃいけないなんて思っている人はいないと思うのです。
もちろん「人助けでお金儲け」は間違っています。
でもそんなことは僕が言わなくたって絶対に見透かされるんです。

「人の役に立ち、世の中の半歩先を行き、常識を覆す」
僕の考えるクリエーションです。
面白いと思うのです、この分野は。

それが僕の活動の大きな原動力なのです。