2012年10月12日金曜日

Explorer #89

今週末は東北に行ってきます。
初日は岩手県大槌町で刺し子会
二日目は宮城県南三陸町で帽子工場との打ち合わせと刺繍講習会
東北って広いので移動だけでもけっこうな時間がかかるんです。
それでもね、
毎回僕が来るのを楽しみにしてくれる方もいるのでなるべく色々回りたいのです。
先日も僕の体調不良を聞いたおばちゃんが健康食品を送ってきてくれました。
他にも定期的に海産物を送ってきてくれたりします!

震災から1年半以上も経つと世間ではずいぶんと昔のことの様になります。
まあ、情報が溢れている現代社会では当たり前のことだと思ってます。
それに皆さんが毎日、目の前の仕事などをこなすので大変ですから。
かく言う僕もその一人です。

1sinの活動理念は
「ファッションビジネスを通じて社会的課題の解決に取り組む」です。

ここ数年“リーマンショック”や“アラブの春”などを通じて
漠然と何かが変わるのではないか?と感じはじめる人が多くなったと思います。
それをはっきり認識したのが東日本大震災だと僕は思っています。
漠然とは感じていた感覚がはっきりと自覚するようになったのだと。
“他人事”だったのが“自分事”になったのだろうと。
どんなに素晴らしいことと頭では理解していても
人が真剣になるのは小さなことでも自分に関係することなんですから。
徒歩帰宅を経験したした多くの人が共有体験として
また原発事故で日本国中で共通意識が芽生えたのだろうと。
ただ1年半経ってその感覚がかなり薄れました。

1sinの立ち上げは2010年夏頃から計画していたのですが
企業の社会的責任(CSR)を根幹に据えた事業にしたいと決めていました。
これまでCSRというと慈善事業的な意味合いが強かったのですが
それではいつまでたっても本腰が入ることが無く一種のパフォーマンスでした。
だったらCSR自体を活動目的にしてしまおうと。

最近ではCSRの捉え方も大きく変わって
本業と統合して企業戦略の重要事項に持ってくる企業も増えました。
アパレル業界ではユニクロのファーストリテイリングなどは
CSRに相当力を入れていますね。
(ファーストリテイリング CSRで検索してみて下さい!ものすごいです!)
欧米ではCSV(共有価値の創造)を経済成長の核とすることを決定しました。

ものすごく乱暴な言い方ですが
1兆円を稼ごうとする企業がこれだけ本腰を入れて取り組むってことは
社会貢献はアリってことだと思います。
ソフトバンクではソーシャル・ベンチャービジネスを社内公募しています。

ちょっと長くなってきたのこの内容についてはまた別の機会に書こうと思いますが
今後は企業評価や投資対象として社会的責任が大きく関係してくると思っています。
もちろん1sinの様に個人がソーシャルビジネスを立ち上げるケースも増えています。

実は、僕はなんとなく言ってみたかっただけでそこまで考えてはいません(笑
ただ自分の好きなファッションを通じて世の中の足しにはならんかね?程度です。

震災直後にあれだけさまざまなブランドがチャリティーグッズを販売しましたが
1年半経って継続しているブランドはどれだけあるでしょうか?
ある意味“ものすごくファッションだったなあ”と思います。
僕も「藤原さん、今は復興は逆に売れないから出さない方が良いです」
って言われたこともかなりあります。
実際僕も“気分じゃないよね”って思うこともあります。
もちろんこっそり活動しているブランドや
継続的に寄付を続けているアパレル企業はたくさんあります。
寄付をするのはとても素晴らしいことです。
1sinが寄付する額なんてシャツ1枚程度ですから…
けれども現地ではまず“仕事”が“雇用”が必要です。
働くこと自体が生きる活力にもなります。
アパレルにはアパレルにしかできない支援があるのでは思います。